コラム

必要悪

展示会を前にして!16年前のブログを紹介します。

ダイカストにおける「必要悪」として思われる部分は、プランジャーオイルではないかと考えています。

特に、「あのオイルを使わずに鋳造できたら!」と感じるのは、固定ダイプレート裏の汚れです。この部分はどうしようもなく汚れます。
チップやマシンスリーブを交換する際の汚れは避けられず、作業者が嫌がる場所でしょう。
実際、私自身もその場所で作業するのが嫌で、たとえウェスで清掃してから行っても、作業服の袖はいつも汚れてしまいました。

もしオイルを使わずに鋳造を行うと、チップとスリーブがかじりついて、キーキーという不快な音が鳴り始めることでしょう。
中には、1週間でダイカストマシン1台につき18リットルものプランジャーオイルを消費する鋳造工場もあるようですが、
それで本当に良い品質の製品ができるのでしょうか?

また逆に、この部分にあまり気を使えていないケースも見受けられます。
例えば、マシンスリーブの給湯口にオイルを注入する際、オイルを送る銅パイプが正確に給湯口にセットされておらず、
半分以上が外にこぼれている光景をよく見かけます。

「必要悪」でありながら、給湯口に正確にオイルが入らないと、射出速度や増圧に影響が出るため、
私も作業者に対して、オイルを正確にセットするよう何度も指導してきました。
しかし、この指導は非常に疲れる作業でした。
7年以上も「やって見せて」「やらせて見せて」を繰り返しましたが、作業者の意識が薄いことに困っていました。
3日も経つと、再び給湯口の銅パイプがずれたまま鋳造が行われてしまいます。言い続ける方が疲れてしまうのです。
(2008年7月10日 ダイカストの話 ブログ公開済み)

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